こうした状況をふまえ、同事業部門の部長である不破氏は、すでに様々なプロジェクトでPM経験を積んできた中堅メンバーに対し、PMとしてのさらなるスキルアップと成長を促すことで機動力の高い組織への変革を目指し、そのための戦略的な育成手法を模索していました。
- DX化の流れを受け、PMに必要とされる業務範囲や期待役割が高度化・複雑化
- 従来型のOJTでは育成が難しく、ゆえに経験則や我流での対応に終始している現状に危機感を抱いている
- 一方で、OFFJTの座学研修でPMBOK等の知識をインプットするだけでは、実務で使えるスキルが身につかない
- 経験豊富なPM人材の更なる能力深化を促すための効果的なアプローチ方法を知りたい
複雑性が高い実務に対処できるスキルの習得を重視する「PMコーチング+」を受講。対象者はPM経験者のためSTEP3を適用し、学びのコーチの内省と言語化を繰り返す経験学習メソッドを3ヶ月間のカリキュラムで実践。コーチング対話とチーム学習により学びを支援することで、“PM的思考の体現”をトレーニング。
- 過去のプロジェクトを自ら振り返ることを通じて、我流であった自身の課題や今後の改善点を自己認識できた
- 現場で自立的に判断し行動できるPMとしてのあるべき姿やふるまいについて、自らの言葉で言語化できるようになった
- PM経験者同⼠で課題を共有したことで、⾃分の得⼿不得⼿について客観視できた
- プロジェクトと組織をマネジメントする上で、表面的ではなく自分の内面と向き合うことの重要性を実感し、行動変容へのきっかけと手ごたえを得た
お客様インタビュー
━ 本サービス導入前の、人材育成における課題や背景について教えてください。
不破様:まず組織の大きな方向性として、プロジェクトマネジメントするリーダークラスには機動力の高い人材に成長してほしいという思いがありました。何から何まで上司に確認するのではなく、お客様や組織の価値観を理解して自ら方向性を導いていけるような、一歩先に進んだPMに成長してほしいという期待があります。
その一方で、実際に各プロジェクトを牽引するPMやPLの育成については我流で対応してきたところがあり、育成方法自体を見直しする必要があるとも感じていました。これまでは教育研修やOJTを通じてPMのスキル・フレームワークを学んで行くことが育成の中心となっていましたが、すでにプロジェクト経験も豊富でOJTも受けてきた中堅層が、PMとして更なる成長をするためにどのようにするべきか悩んでいました。
━ 学びのコーチが課題解決のために工夫したところはありますか?
山本コーチ:コーチとして研修開始前、私に期待されていることはUdemyで学んだことを深めていくところだと思っていましたが、実際にお話してみるとすでにPMの能力が高い方々なので、内面的な部分を意識してコーチングしました。
真面目な方が多く、初めは目の前で起きている事象に対してどちらかというと固定概念が強く、リスクや課題中心に考えすぎる方が多い印象がありました。対話をする上では、PMとして顧客・メンバーなどのステークホルダーからどのように見られるのかといった「PMの在り方」を中心にすることを心がけていました。
私がコーチとして「本当ですか?」「本当は何をしたいのですか?」「どんなふうに思っているのですか?」という問いを重ねることで、自分が本当にやりたいこと、お腹の中にあることについて、自分の言葉で話をするように変わっていきました。
柿内:山本コーチがおっしゃる通り、今回は経験が豊富な方々に参加いただくので、コーチングに重きを置くように学習プログラムを設計しました。
━ 実際にPMコーチング+のプログラムを経て、どのような効果がありましたか?
不破様:スキルやフレームワークを学ぶことはもちろんのこと、PMとしての心得や目指していくところに対して自分自身を振り返り、次はどうしていくのかということに気づいてもらうことができました。
コーチングを通じて自己の課題を自らの言葉で考え、今後の改善や対策の方向性(やり方、工夫など)を知識の受け売りではなく、自分の言葉で言語化できるようになりました。参加したメンバーは業務の中心として動いているので、普段は改めて自分を振り返る時間がありませんでしたが、良いきっかけになったと思います。
学習の進め方としても隣り合ったリーダー同士で課題を共有したことで、横の会話が生まれ、自分だけの課題だと思っていたことが他の人も同じ悩みを抱えていたことに気づけたり、自分の得手不得手を認識できるように変化していきました。
自分はどうしたいのか、メンバーから言われたことに対して何を恐れているのか、といった内面に向き合って自分の気持ちを言葉にしていくことで、自己成長していく過程が見え、手ごたえを感じました。
また私にも学びがあり、同じ会社の中にいる上司部下という立場では、自ら欠点をさらけ出して振り返ることがやり切れていなかったと感じました。
山本コーチはコーチングスキルが高く、参加者からは今回の研修を通じて自分を出していくことへの抵抗感が減ったという声も聞きますし、周りのメンバーからも参加者が受講をきっかけに変わったという声も聞くので、嬉しさ半分、自分では引き出せていなかったということへの反省が半分という気持ちです。
今後は私自身も意見の吸い出し方や一歩踏み込んだコーチングスタイルを学び、本音を引き出せるマネジメントができるように成長していきたいと思っています。
山本コーチ:私も直接の部下だったら、きっと話をしてくれないところはあったと思います。私自身も以前、管理職をしていた時に各課のシナジーが出せなかった経験があり、その経験がコーチングを学び始めるきっかけでした。
外部コーチだったからこそオープンに話をすることができたのだと思います。
━ 改めて、学びのコーチを評価いただいたポイントを教えてください。
不破様:当初はUdemyの学習を補助するためのプログラムだと思っていましたが、実際にはUdemyもツールとして活用しつつ、プログラム全体の設計やコーチングがとても充実していると思いました。あれだけたくさんあるUdemyの講座の中から非常に良いものを推薦してくれたので、私も勉強になりました。
Udemyの活用とコーチングによるPMとしての成長、私たちがやりたかったことを2つとも適えられることが選定のポイントでした。
━ 最後に、今回の成果をふまえて今後の展望をお聞かせください。
不破様:「PMコーチング+」のプログラムを終えて、それぞれメンバーの課題と対策、変化の兆しは見えました。今回の受講はきっかけなので、経験を振り返り言語化することで次の行動に活かすという学びのサイクルを今後も継続させていきたいと思います。
内面の成長とともに自ら学ぶ姿勢を持つ人材が増えることが、機動力の高い組織へ変革するために重要だと思っています。
━ 貴重なお話をいただき、ありがとうございました。